武蔵野大学の考えるデータサイエンスとは、データを統計的に処理するだけでなく、人工知能(AI)技術を用いて大量のデータを活用することにより、物事の本質を見抜き、独創的なアイデアで新たな価値や未来のカタチを創造する学問です。現代では、コンピュータやインタネットの発達により、デジタル化されたあらゆるデータがインタネット上に蓄積されています。SNS のつぶやき、写真投稿、動画視聴、改札やコンビニでの電子マネーの利用などもそのデータの一つ。これらの大量のデータを対象として、単にデータを検索、統合によって整理するだけでなく(データエンジニアリング)、統計などの数学的分析手法を用いることで、新たな知見を発見する力を持つデータサイエンティストが求められていました(「データサイエンス1.0」)。このようなデータ分析が一般的になりつつある今、この分析結果を実社会に活かすことのできる新たな能力を持つデータサイエンティストが求められています。今後、データサイエンスは、最新のAI技術を駆使して、データから具体的な新たな価値や未来のカタチを創造し、イノベーションを生み出す「データサイエンス2.0」に向かいます。本学科では、新時代「データサイエンス2.0」の実践的なデータサイエンティストを育成します。
ビッグデータとAIを掛け合わせると、今まで想像もできなかったような新しい変化が生まれます。みなさんの身の回りではどのようなことが起きるでしょうか?
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 後期博士課程修了
[博士(政策・メディア)]
研究領域:時空間マルチメディアデータベース
今は誰でもGPS情報つきの写真や動画を投稿できます。IoTという技術を使えばセンサーデータをリアルタイムに収集することもできます。政府や国際団体の公開するオープンデータや一部オンラインニュースをフリーで読めます。それら全てを時間と空間とAIで繋ぎ合わせると何が起こるでしょう。「世界の天気予報地図」、それと同じものがあらゆる自然事象について作れます。世界の森・川・海・砂漠・魚・鳥予報地図…無限です。少々物騒ですがテロ地図や、あと民俗文化地図など社会事象も可能です。しかもリアルタイムに更新される。そんな世界地図システムの構築と、その社会への役立て方が研究対象です。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 後期博士課程修了
[博士(政策・メディア)]
研究領域:マルチメディア・データベース、学習支援システム、教育工学
私は学習ビッグデータ(e ラーニング学習履歴、IoT 機器センシングデータ等)をメタレベルで統合・分析して、学習者の学習状況に基づき、学習者により効果的な学習方法を提示する学習支援システムとアクティブラーニングの研究を行っています。単に教材や課題を提示するだけでは不十分。新たなアプローチに取り組んでいます。例えば、学習者が論じるべき点( イシュー)を特定させる問題提示、何回も明るく解説するロボット先生、グループワークを効率よく行えるアプリ、照明・効果音による教室の雰囲気の切り替え、モノづくりの喜びを感じられるプログラミング授業、TV クイズ番組と同様の演出を伴う講義など、学びを促進、創造性を高める仕掛けが大切です。未来の学びをデザインすることが目標です。
慶應義塾大学大学院 理工学研究科 後期博士課程修了
[博士(工学)]
研究領域:ヒューマンコンピュータインタラクション、
MR(複合現実)活用、機械学習活用
身の回りで起きた決定的瞬間。重大な事件だけでなく家族や友人との間で起こった面白い出来事。「見逃してしまった」「もう一度見てみたい」「誰かに見せたい」。多くの人がこのような気持ちになったことがあると思います。しかしながら過去に遡ることもカメラマンを同行させ、常に撮影してもらうこともできません。そこで私は、AIを搭載し知能を備えたカメラがユーザ本人またはカメラマンの代わりとなってユーザの周囲で起きた決定的瞬間を記録してくれる仕組みを研究しています。具体的には、周辺情報だけでなくユーザの視線や表情、脈拍などの生体情報も機械学習することで「もう一度見てみたい」シーンを自動判別できる技術の実現を目指しています。
データサイエンス分野の対象となる情報源であるデータベース、メディア・データの多様化・大規模化は、我々の情報共有・獲得の環境を劇的に変化させており、データサイエンスにおける新たなアルゴリズムやシステム構成の方法論の構築が期待されている。発展的な領域であるビッグデータ分析、人工知能の実現に向けての新技術、方法論の開拓、さらには社会環境、自然環境の中におけるデータサイエンスの新たな応用、実現方法の開拓が期待されている。
データサイエンス学部データサイエンス学科により、実空間と情報空間をまたがった技術および
社会応用の設計と構築を行う知識と能力が習得される。学生はデータサイエンス入門科目群を共通して履修し、
その後、下記の3コースの中から1コースを「メジャー」として選択。
さらに、もう一つのコースを「サブメジャー」として選択して、それらに関する科目群を履修する。
学生はデータサイエンスプロジェクト、卒業研究、キャリア形成科目群も履修する。
本学部では、現代グローバル社会が直面する社会・自然環境変化や急速な科学技術の進歩の中において、広範な領域や分野における多様なイシュー(データ、メディア・コンテンツの分析課題)を対象として、イシューの発見および解決方法の解明をデータ分析・統合と知の創造により実現し、新たな創造的活動を先導する意欲をもった者を求めます。
具体的な応用分野の実データを対象として、実際の現場での問題を想定したイシュー指向・解決型のデータ収集・分析・可視化基礎能力を身につけ、データドリブンにその問題を解決し、プレゼンテーションをする実践的なデータ活用応用能力を養う実習を実施する。
海外の連携大学・研究期間への短期留学、本学の海外拠点におけるフィールドワーク、国内外の連携企業・研究期間のインターンシップを通じて、学生自身が主体的に共同研究プロジェクトに参画する(「アジアAI研究所」構想)
留学生および、日本語を母語としない学生を対象として、英語での授業の履修のみで卒業できる仕組みを設定する。
For foreign students and non-native speakers of Japanese, we set up a mechanism that allows students to graduate only by taking classes in English.
グローバルデータ分析実験システム(オンライン情報共有システム+遠隔会議システム)の構築と、これを活用した海外の連携大学・研究機関との遠隔リアルタイム国際協働演習・実験を実施する。
企業との協働研究体制を構築し、ビジネスの第一線で活躍する企業のデータサイエンティストを迎え、ビジネスの現場におけるデータ活用スキルを学ぶ実習を実施する。
プロジェクト科目、研究会において、会議の連携大学・研究機関の教員・研究者が海外メンターとして参加し、各学生への研究教育指導を行う。
小規模な定員であり、かつ科目が体系化されていることから、3年次以降いくつかの専門科目でも少人数教育が可能である。学生は少人数クラスで教員とコミュニケーションをとりながら学ぶことにより、知識を深め、かつ教員の経験知をインタラクティブに学ぶことができる。
複数の授業に老いてeラーニング教材を活用する。学生の実践的ICT活用能力の向上、主体的な学びと基礎学力、専門的知識の効率的な習得を可能とする。さらに、eラーニングによる予習(反転授業)を取り入れ、アクティブな授業展開を可能とする。教員はLMS(学習管理システム)に記録される学生の学習履歴データに基づき、親身で適切な個別学習指導を可能とする。